転職成功者インタビュー

株式会社ユードム
粟井祐樹さん(経営企画) 36歳

「こんな会社にはもう出会えない」。茨城でかなえた、経営者の右腕という働き方。

京都大学法学部を卒業後、大手重電系メーカーへ入社した粟井祐樹さん。発電所などに使われる機器の生産管理をはじめ、工場運営や新規事業開発に携わってきた。

2020年に妻の実家がある茨城県へ家族で移住。つくば市のファンドレイジング推進監を経て、経営者の近くで裁量を持って働ける場所を探して出会ったのが株式会社ユードムだった。

現在は入社と同時に新設されたグループ経営企画室で、会社の重点戦略づくりやM&A、バックオフィスの整備など経営に関わる幅広い仕事を担っている粟井さん。地方では表に出にくい経営企画の仕事とどのように出会ったのか、転職の経緯と現在の仕事について伺った。

※本記事の内容は、2026年10月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
2回
活動期間
エントリーから内定まで454日間

転職前

業種
地方自治体
職種
ファンドレイジング推進監
業務内容
企業版ふるさと納税を活用した資金調達や、企業と連携した官民協働の仕組みづくりを担当。

転職後

業種
情報通信業
職種
経営企画
業務内容
グループの経営戦略の策定・実行を担当。M&Aの事務局や、広報・法務・資材購買などバックオフィスの整備にも携わる。

「社長に会ってみませんか」。求人票のない提案から始まった。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

ユードムは、水戸市に本社を置き、組み込み・制御系や業務系ソフトウェア、クラウド、IoTなどのシステム開発を手がける会社です。私が所属しているのは、入社と同時に新設された「グループ経営企画室」です。

入社した年に、会社はグループ売上50億円を達成しました。次の目標である100億円に向けて、会社として何に力を入れ、人やお金をどこに投じていくのか。重点項目を決め、実行につなげる役割を担っています。

あわせて、広報や法務、資材購買、新規事業のサポートなど、これまで十分に手が回っていなかった領域にも関わっています。M&Aの事務局も担当しています。法務の確認や広報原稿の作成では、生成AIや各種サービスも活用しながら仕事を進めています。

入社前のご経歴を教えてください。

大学卒業後、大手重電系メーカーに入社しました。工場に配属され、発電所などに使われる機器の生産管理を担当しました。計画を立て、製品が予定通りに完成し、お客さまに届くまでを上流から下流まで見る仕事でした。その後は企画運営、新規事業の立ち上げにも携わりました。

結婚して子どもが生まれ、2020年、コロナ禍をきっかけに妻の実家がある茨城県日立市へ移住しました。自然の中で子育てをしたいという夫婦の想いがあったからです。

1年ほどリモートワークと出社を組み合わせて働きましたが、ものづくりや新規事業の仕事で価値を出すには、現場へ足を運ぶことが必要です。会社まで片道3時間かかる働き方を長く続けるのは難しいと考え、転職を決意しました。

ちょうどその頃、つくば市がファンドレイジング推進監を募集していることを知り、応募しました。茨城県内にほとんど知り合いがいなかったため、地域のさまざまな人と関われることにも魅力を感じました。

転職のきっかけは?

一つは、日立市からつくば市までの通勤です。リモートワークもありましたが、週4日ほど、高速道路を使って片道1時間半近くかけて通っていました。2年半続けるなかで、やはり遠いと感じるようになりました。

もう一つは、民間企業に戻りたいという想いです。行政の立場に立ったことで、改めて民間企業でできることも見えてきました。

任期を延ばさないかというお話もいただきましたが、もともとキャリアの最後まで行政にいるつもりはなかったので、2年半を一つの区切りにしようと考え、転職活動を始めました。

転職活動はどのように進めましたか?

転職活動は、リージョナルキャリア茨城(運営:リージョンズ株式会社)への相談と、自分の人脈を通じた情報収集の両方で進めました。

担当コンサルタントの佐藤さんとは、知人を通じて以前からつながりがありました。経営者の近くで、より大きな裁量を持って働きたいという希望を伝え、退職時期を決めてから本格的に相談しました。

同時に、自分がこれまでに築いた人脈にも声をかけ、話を聞いていました。大手の求人媒体では、自分が希望する求人にほとんど出会えなかったため、地域の企業を知る人から情報を得る必要があると考えていたからです。

佐藤さんからは、条件に合わない求人を無理に紹介されることはありませんでした。本格的に相談してから初めて紹介してもらった企業がユードムです。経営企画の求人が出ていたわけではなく、「こういう会社がありますが、社長に会ってみませんか」と声をかけてもらったのがきっかけです。

今の会社に決めたポイントは?

最初の面談で社長が30分ほどかけて、会社の現状とこれからやりたいことを説明してくれました。会社として今後強化していきたい部分についても率直に話してくれて、「こんな会社にはもう茨城で出会えないだろうな」と思ったのが最初の印象です。

会社が目指す方向だけでなく、現在の課題や自分に期待される役割まで具体的に聞くことができ、ここなら会社の成長に関われそうだと感じました。

そして何度か話を重ねる中で、ユードムで働きたいという気持ちが固まりました。最終的に条件を提示してもらう段階に至ったときには、もう自分の中では入社するつもりでいました。

入社直後から戦略づくりへ。会社に必要な仕事を、自分で見つけて動かす。

転職していかがですか?

会社全体を俯瞰し、必要なことを見つけて動く仕事をしたいと考えていました。広報や法務、資材購買、新規事業のサポートなど、会社に足りていなかった部分に幅広く関わることができています。

また、M&Aの事務局も担当しており、財務や法務、事業、人のことまで考える必要があるため、「ビジネスにおける総合格闘技」のような仕事だと感じています。大企業にいたままでは、同じ年代でここまで経験することは難しかったと思います。

こうした仕事を進めるなかで、社内の皆さんが、入社したばかりの私の提案に真剣に向き合ってくれたことが印象に残っています。外から来た人間が会社の戦略づくりを進めることに、戸惑いや反発があってもおかしくありません。

ワークショップを実施した際にも率直に意見を出し、一緒に考えてくれました。そこで決めた重点戦略を、今も各部門で実行しています。本当に良い人が多い会社とご縁をいただいたと思っています。

転職して良かったと思うことは?

株主総会や取締役会など、以前は「雲の上」のように感じていた場に、事務局として関わるようになりました。資料の作成や公的機関・金融機関とのやり取りといった実務も含め、会社経営がどのように動いているのかを間近で見られることが面白いです。

会社の重点戦略づくりにも、入社直後から関わることができました。経営の一部分ではなく、会社全体を見ながら仕事ができていることが、転職して良かったと感じる一番の点です。

困っていることや課題はありますか?

仕事の幅が広がるほど、自分に足りない知識や経験も見えてきます。M&Aや法務、広報など、それぞれに必要な知識が異なるため、学びながら仕事を進めています。

もう一つは、今後の体制づくりです。現在は限られた人数で、生成AIや各種サービスも活用しながら業務を回しています。ただ、ユードムがさらに大きくなれば、広報や法務などにも専任の担当者を置くべき時期が来るでしょう。今の業務を進めながら、将来どのような体制にしていくかも考えていきたいです。

生活面の変化はありますか?

働く時間を調整できる環境はつくば市時代からあり、働き方そのものが大きく変わったわけではありません。現在も保育園のお迎えがある日は定時で帰り、子どもの習い事のお迎えにも間に合うように業務を調整しています。必要があれば、子どもが寝た後や朝に仕事を進めています。

「帰らなければならない時間には帰りたい。でも、仕事もきちんとしたい」と思っているので、自分で時間を調整しながら働けることは、とてもありがたいです。

つくば市に勤めていた頃は朝5時台に家を出ていましたが、今は子どもを保育園へ送ってから出社できるようになりました。通勤時間も40分ほど短くなり、朝の時間を家族と過ごせています。

東京にいた頃と比べると、人の多さや子どもの遊び方も違います。近くの公園で遊べますし、車で少し行けば海や山にも行けます。休日も混雑をあまり気にせず、家族でのびのびと過ごせています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

私自身、実際に転職活動を進めるなかで、大手の求人プラットフォームだけでは、地方の求人になかなか出会えないことに気づきました。そこで、地域に強いリージョナルキャリア茨城に相談しました。

あわせて、地域の経営者や企業を知る人を、個別に紹介してもらうことも有効です。移住前は接点をつくりにくいかもしれませんが、きっかけがあれば、まず話を聞いてみることが大切です。

私自身、粘り強く探してみたことで、茨城で自分が求めていた会社に出会えました。地方にも、これまでの経験を活かせる会社はあるので、まずは地域の企業を知る人に相談してみてください。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
佐藤 照昭

粟井さんは転職活動の当初から「経営者の近くで、裁量を持って会社に関わりたい」という軸が一貫していました。地方では希望に合う求人がなかなか表に出てこないこともあり、私からご紹介できる案件も限られていましたが、じっくりと待ってくださいました。

ユードムをご紹介したのは、社長自身が事業の現状と課題を率直に語ってくださったことに加え、粟井さんのような方を受け入れられる懐の広い企業だと感じたからです。経営企画のポジションも当初から求人があったわけではなく、粟井さんの強みを踏まえて新しくポジションをつくってくれました。

入社後、短期間で会社の重点戦略をまとめ上げたスピード感には、社長も驚いていました。現在は、M&Aや広報、新規事業のサポートなど、会社経営の全体に関わる仕事を次々に任されています。自ら課題を見つけ、形にしていく粟井さんの強みが活かされていると感じます。

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